2007年11月25日
東都書房
連休初日に立ち寄った近所の古本屋さんで、東都書房の本が数冊、100円ワゴンセールだった。全集なので、ホントは全部揃ってこその全集なのだけど、1冊100円の魅力に負けて、3冊を救出。
クロフツは三浦朱門訳の「樽」といった変り種(わたし的に)。同時収録は「クロイドン発12時30分」。持ってんじゃん!という突っ込みはナシで。だって100円だもの。ハガキとしおりの中間くらいの紙が挟まっていて、見ると「樽」「クロイドン」の登場人物一覧。気が利いてるなぁ。こういうのは必須だなぁ。月報つき。「全集は揃ってこそ真価を発揮します」と、定期購読が薦められていた。わたしもそう思うよ。全部揃ってたら壮観だろうなぁ。口絵のクロフツの顔写真(どアップ)は、すごくへたくそなフォトレタッチが泣ける(下図)。これはないだろー、と思ったけど、遠目に見れば問題ないでしょう。写真に撮って見るとあまり悲惨さが表現できていないのが残念だが、眼鏡の中だけ妙に鮮明で、顔の輪郭がぼんやりしていて、かなり気持ちが悪い。創元推理文庫の巻末広告に載ってるのと同じものだと思われるが、あっちは荒れた印刷でよかったかもしれない。
「小栗虫太郎 木々高太郎集」は木々目当て、「多岐川恭 仁木悦子 佐野洋集」は仁木目当てでゲット。特に仁木悦子は凄く気になっていたので、読めて嬉しい。「猫は知っていた」の冒頭を読んでみると、非常に上品な文脈で、この作家さんはいいと思った。昭和30年代をここまで上等に描けてる作家さんはなかなかいない。こちらは「多岐川恭 仁木悦子 佐野洋集」のみ月報つき。この月報が、またいい。多岐川・仁木・佐野各氏の「作者の言葉」が載っているのだけど、仁木は文章量がかなり少なくて、そのスペースを埋めるためだと思うけど、「仁木悦子さんの近況」なんてーのが載っている(下図)。
この東都書房の全集は、監修がどちらも江戸川乱歩がかんでいるのもポイント。装丁は真鍋博。ものすごくモダン。カッコイイ。なお、本棚右の「大下宇陀児 浜尾四郎集」は、かつて同じ古本屋で500円くらいで購入したもの。時が時ならば100円でゲットできたと言うのに。ついでに、その右隣のぼろぼろの本は、なんと大正時代の「主婦の友」。コレ、めちゃくちゃ面白いです。パウンドケーキの作り方とか載ってます。機会があれば集めたい。
投稿者 YOUCHAN : 23:34 | コメント (4)
2006年3月26日
死ぬときはひとりぼっち
というタイトルの本を目にしました。レイ・ブラッドベリが作者で、
帯には「黄泉からの旅人」「さよなら、コンスタンス」へと続く、と書かれていました。
3部作らしいこと、長らく絶版の憂き目にあっていたけれど
このたび復刊された旨も書かれてあったような気がします。
(タイトルは、帰宅してから検索しました)
ずっと個展のことがアタマを離れなくて、
絵のモチーフにする小説について、いろいろ考えています。
書店をうろうろして、本を手に取り、戻し、他の本を手に取り…を繰り返して。
そんな途中で目にしたタイトルでした。
ハードカバーなので、持ち帰りが大変と思い、購入は控え、その代わり、文庫を何冊か。
小栗虫太郎、杉本苑子、そして横溝。
虫太郎は、高校生のときに挫折してます。
が、「完全犯罪」の肉感溢れる女性は描いてみたいと思い立ち、
創元推理文庫版を手にしました。巻末の息子さんの「虫太郎伝」にちょっと感動。
杉本苑子は、初めて知った名前だけど、カバー絵がステキだったのと
立ち読みで一気に引き込まれたので即効で決めました。
横溝は、…もう馬鹿みたいなスピードで読んでいます。実際、馬鹿なのかもしれない。
「首」は短編でやっぱ物足らなかったので、「病院坂」にしました。
話を「死ぬときはひとりぼっち」に戻しますが。
内容は読んでないので、まったくわからないけど
わたしは「死」がすごく怖いです。
自分の死ではなくて、自分を取り巻くあらゆる死が怖い、と
ふらふらと書店を彷徨っている間にそう確信したのでした。
個展と関係がない…?
否、否。充分関係の深い発見だなぁと思いました。うひ。
死ぬときはひとりぼっち
レイ・ブラッドベリ 小笠原 豊樹
…えっ。ハードボイルド? そ、そうなのん???
投稿者 YOUCHAN : 00:14 | コメント (2) | トラックバック
2005年11月 3日
個人的メモ
昨日、奥田さんと梨木香歩のことをいろいろ教えてもらった。
「『ぐるりのこと』を先に買っちゃったんだよねー」と言うと
「その前が『からりからくさ』で、その前が『りかさん』だよ」と
これまたディープなお答えが。
そうか、そういう作家なのか。ということで、個人的に、メモ。
投稿者 YOUCHAN : 13:25 | コメント (0)
2005年8月31日
今日気になった本
家守綺譚/梨木 香歩
この本は気になる!2005年本屋大賞ノミネート作品なんだそうで、
比較的最近出た本でこんなに惹かれるのは珍しい。
小川未明童話集
「赤い蝋燭と人魚」、日本人の作による童話だったのかー!
そして何より、言葉使いがとても美しいそうです。
小川未明。こんなにかわいい名前なのに、大正期の作家で、男性。
非常に気になる作家さんです。うむむ、うむむ。
…日本人作家ばかりだな。翻訳モノって結構難しいんだよねぇ…。
投稿者 YOUCHAN : 22:27 | コメント (0) | トラックバック
2005年8月29日
気になった本
レザーのおサイフ 秋山 祐子
昨夜紹介した野谷久仁子さんの本の関連商品をたどっていってみつけました。
うーん、立ち読みしてみたいなぁ。
表紙の感じもいいし、レビューでも評判よいので興味あるなぁ。
投稿者 YOUCHAN : 11:20 | コメント (0) | トラックバック
今日見つけた面白い本
手縫いで作る革のカバン 野谷久仁子
吉田カバンの創業者の娘さんによる本で、とても説明が丁寧。
写真も豊富で、お父さんの話とか、革を買えるお店の紹介など、
とても丁寧に作られた本です。
ワタクシ、縫い物と編み物はやりますが、革細工はやりません。
が、カバン好きですし、これは押さえとして1冊持っておきたかったので。
Amazonの写真は帯がありませんが、帯が素敵なんだけどなぁ〜。
柳原良平の装丁
同じシリーズ(?)で、「Ryohei Yanagihara」も持っていますが、
作家別にわかれていたり、仕事の説明なども書かれていて
楽しいのはこっちだとおもいます。
誰を描いてもアンクルトリスになっているような気がしないでもないですが
柳原さんは、作家さんをモチーフに絵を描いていることが多いのですね。
グラフィカルでステキです。
熊谷守一の猫
猫好きのおじいさんがここにもいました。とてもステキです。
ラフと作品が並べてあって、ああ、こういう風に描いたんだなぁって見て取れます。
カバーを取ると、中表紙にはラフスケッチが大きく印刷されています。
この画家さんのことを、わたしはこれまで知らなかったのだけれど、すごくいい。
巻末には、この画家さんの年表や、美術館情報も。
熊谷守一美術館というのが豊島区にあるそうです。
この美術館、熊谷守一居住跡地に作られたんですって。
行ってみたいなぁって思いました。
投稿者 YOUCHAN : 00:10 | コメント (6) | トラックバック
2005年8月 9日
お菓子本とデザイン
ネタ探しのために書店へ。そこで初めて知ったこの事実!
最近の料理本…とくにお菓子レシピ系の本のデザインが
ものすごいハイクオリティだ。
他はガーデニング系がスゴイ。ソーイング系も見逃すな。
洋書に劣らないクオリティの装丁で、これにはびっくり。
世の女性たちは、フツーにこういうものに接しているのか!?と
まさにカルチャーショックを受けた。
しかも、構成がいい。ちゃんとコンセプトがある。
筆者の愛情が溢れた本は、デザインもいい。紙質もいい。これは比例する。
イノモト和菓子帖
猪本 典子
和菓子を日本中から集めた写真集。
写真も文章もいいのだけれど、構成がとにかくいい。
季節感満載。和菓子が苦手な私も、この本をみてると食べたくなる。
お砂糖レッスン―甘味を使い分けてつくる50のお菓子
桑原 奈津子
砂糖控えめが当たり前の昨今だけれど、
砂糖の特性をきちんと知った上でお菓子を作ろう、と指南している。
コンパクトなサイズの本で、写真もナチュラルなんだけど
執筆者の姿勢が最後まで貫かれていて気骨のある一冊。
手づくりの日用品―まいにち、楽しく、幸せに。
蔭山 はるみ
これはNORIちゃんがすごく気に入っていた。
見ているだけで、作りたくなる小物がたくさん載っている。
センスがよくて、でも気負ったところがない。
投稿者 YOUCHAN : 22:13 | コメント (2) | トラックバック
2005年7月30日
読みたいリスト
気になる本をピックアップしてみました。
地下鉄のザジ
レーモン・クノー
なぜか未読。いかんいかん。
うたかたの日々
ボリス ヴィアン:著/伊東 守男:訳
岡崎京子版で大筋はわかったけど、やっぱり原作は読んでみたいなと。
「日々の泡」と翻訳のできは、一体どっちがいいんでしょうか?
心臓抜き
ボリス ヴィアン:著/滝田 文彦:訳
ボリス・ヴィアンの最後の作品らしい。
心臓抜きって「うたかたの日々」にも出てくる。
でもこっちは関係ないらしい。ふーん。
一千一秒物語
稲垣 足穂
一千一秒物語から入ったほうがいいかなと思います。
焦がれているのに、足穂に挑戦するチャンスがなかなかありません。
文庫で押さえておこうかな。
夢十夜
夏目 漱石
「猫」ですっかりくじけてしまったワタクシですが、
こっち方面の漱石先生にも触れた上で
敗