2008年5月26日
個展「第二文学山房 ゑいじうはSFでいっぱい」のお知らせ
えと。このエントリー、しばし一番上に表示してます。個展準備日記なんかも書いてますので、もしよければ読んでくださいねー。どんな題材をネタにしてるかもわかって楽しいかも?マニアックでゴメン......。
YOUCHAN個展 第二文学山房 ~ゑいじうはSFでいっぱい~
(同時開催 音楽山房 ~ゑいじうの1Fは音楽でいっぱい~)
会期 2008年5月26日(月)~31日(土)
11:00~19:00(最終日は17:00まで)
オープニングパーティー 2008年5月26日(月)17:00~19:00
会場 Coffee&Gallery ゑいじう
〒160-0007 東京都新宿区荒木町22-38
TEL:03-3356-0098
交通 東京メトロ 丸の内線「四谷三丁目」2番出口より徒歩7分
都営新宿線「曙橋」A1出口より徒歩3分
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投稿者 YOUCHAN : 21:10 | コメント (0)
2008年5月16日
個展の販売物について
上のノートは15日からリュウド社販売・ツバメノート謹製で発売されることになった「Thinking Power Notebook」です。表紙のイラストを描かせていただきました。このノートは、上がA5サイズで「ネイチャー」、下がB5サイズで「メトロポリタン」。基本的にはオンラインショップでの販売がメインなのですが、実店舗では銀座の五十音さんのみでの店頭販売になるそうです。オンラインショップは5冊セットの場合、それぞれA5版(写真上)が1,837円、B5版が(写真下)が2,520円です。(1冊 A5:368円、B5:504円) オンラインでのご購入は、下記リンクよりどうぞ!!- リュウドさん(販売元)
- ソリッドアライアンスさん(楽天)
- 信頼文具舗 ※1冊から購入できるようです
- ジャストシステムさん(6月からの予定)
それで、私の個展でも、ノートの販売をいたします。個展では、1冊単位で販売します。横開きで、5ミリ方眼入りで、ミシン目が入っています。イラストレーターにとってこんなに使いやすいノートが今まであったでしょうか!?
また、展示作品が今回、全作描きおろしという快挙(無謀とも言う)なので、それを記念して、全展示イラストをポストカードサイズに縮小出力したものを販売します。カードとして使っていただいてもよく、また、額に入れて飾っていただいても嬉しいです。出力は展示と同じ材質の紙を使いますので、きれいです。ちょっとコストがかかっていますので、価格は200円の予定です。
ノートやカードは、お気軽なお土産にどうぞ!!
展示作品の販売につきましては、展示終了後のお渡しもしくは郵送という形をとらせていただきます。ご希望がある方にお売りいたしますので、お声をかけていただければ幸甚です。2F展示室の「文学山房」の展示イラストは、マットとイラストのセット状態での販売を予定しています。フレーム(額)はつきません。1Fカフェスペースの「音楽山房」展示イラスト(LPジャケット見立て)は、額とセットでの販売を予定しています。
ノートの誕生秘話は、また後日改めて~。(笑)
投稿者 YOUCHAN : 01:27 | コメント (0)
2008年5月 8日
[個展準備]ムーンライダーズ
今日は音楽山房、ということでムーンライダーズである。愛知の外れのいなか生まれ・いなか育ちのわたしにとっての、東京原風景はムーンライダーズの音楽だった。実際に上京してみて、その感覚は間違っていなかったことに気がついた。高層ビルばかりではない。建物は立ち並んでいる。蛍光灯の灯り。遠くに見えるのは工場か。サーチライト。夜中になっても真っ暗にならない空。そして、ひとり遠くを見つめるジャックの目にはなにが映っていたのだろう。ラジオ消して、土の中に埋めて、アンテナひとつ立てて、草の上で眠りたい。10代の心に刻み込まれた東京原野。孤独を叫ぶこともなく、都会を責めることもない。ただ自身の孤独と向き合う。痛いほどに自身の心にしっくりなじんだ。
わたしがムーンライダーズを初めて聞いたのが「青空百景」だった。リアルタイムだったと思う。明るい曲調とは裏腹に、どこかタガの外れた世界観。40ダースの卵が四丁目の角の僕のベッドで待ってるって、なんだよこれ! 押し寄せてくるのはアナーキーな世界観だ。おかしい、こんな世界があったなんて知らなかった。どんどん惹かれていった。遡ってアルバムを聴くうち、新譜が出た。「アマチュア・アカデミー」というタイトルだった。
当時はLPレコードだった。針を落とした瞬間、今までにない驚きに満たされた。かっこよすぎる!!!! ライダーズに惹かれ、共感したけれど、この衝撃は初めてだった。何もかもをなぎ倒すパワー。カッコイイとはこういうことか! YBJ、ああそうだ、YBJだ。YBJもジャックだ。が、ビルを見つめて待っているのもジャックだ。
ということで、10代半ばのわたしが部屋に篭ってずっと聴いていた音楽へのささやかなオマージュを捧げた。2曲目の「30」を、もう10年前に迎えてしまったが、あれ以来もライダーズは、ときに有機的に、ときに無機的に変化と進化を繰り返しながら、今もわたしにとっての東京原野であり続ける。31年目。現在も継続している、恐るべきバンドである。
投稿者 YOUCHAN : 21:33 | コメント (0)
2008年5月 7日
[個展準備]ラファティ・スイッチ
ラファティとの出会いは結構長い。「九百人のお祖母さん」がそれで、15年以上になる。長いのだけれど、かなり長いブランクがあった。読んでも読んでもなぜか頭に入ってこない。どこが面白いのかがわからないうちに、ずーっと放置状態になっていた。そして度重なる引越しの途中で紛失した。古本屋さんに売ったかもしれない。廃品回収に出したかもしれない。ところが、ここ数年、ラファティの長編が出たりして、また気になってきた。今なら読めるかな、そう思ったが、時すでに遅し。「九百人のお祖母さん」はとっくの昔に絶版状態になっていた。ハヤカワで3冊目にでた「つぎの岩に続く」が1冊出ているきりで、この状況はなんだかおかしいと思うようになった。そう思った矢先のこと、神保町のとある古本屋さんで「九百人のお祖母さん」の上製本がお求めやすい価格で売られていた。本は出会ったときに買うのが正しい、ということで迷わず入手、表題作から読み始める。
あれ? 面白い。
結局、最後まで面白く読めた。が、なかなか難解だと思ったし、大方の評価にあるような「爆笑する」という感じはしなかった。シュールさを味わう感じじゃないのかなぁ、というのが感想だった。そして次に「どろぼう熊の惑星」に進んだ。うむ、こっちのほうが読みやすいかな。相変わらず、血は出てくるし、残酷な描写も多いなぁ、シュールだなぁ。
......と思っていたのだが、途中で「かちっ」とスイッチが入った。ああ、そうか! 味わい方を掴んだ瞬間だった。ラファティ・スイッチが入った途端、面白いのレベルがぎゅーんと上がった。面白いのには代わりがないのだが、気がついてしまったのだ。スイッチが入ってよかったなぁ。
というわけで、展示するイラストは、この「ほら吹きおじさん」の軽妙な語り口てんこ盛りな雰囲気を出すため、ペン画で描くことにした。グリム兄弟やアンデルセンと同じで、ラファティという作家の作品は、いつか伝承される類のものになるだろう。小鳥が千年に一回の割合で巨大な岩をつつきにくるペースで、大きな穴があく頃に。
投稿者 YOUCHAN : 18:08 | コメント (0)
2008年5月 6日
[個展準備] 宇宙クジラとシャコの思い出
今回取り上げるSF小説の中で、最も心優しい短編集、「ジョナサンと宇宙クジラ」を描く。作者はロバート・フランクリン・ヤング。あたたかくて、優しい雰 囲気を大事にしたいなーと思い、ストレートな絵にしてみた。宇宙クジラは人間にたとえるなら17歳の少女である。そこを大事にしよう、と。ク ジラを描く際には、NORIちゃんから細かなアドバイスをもらった。ちょっとイメージ検索してみよう、ということになり、詳細なクジラの資料を見つける。 ふむふむ、なるほど、目の位置はこうだし、尾っぽの形もひれの形も全然違うなぁ、と改めて感心。骨格標本まで載っており、このサイトはどこが運営してるん だろうねぇ、と上位ページに移動してみたら......鯨肉を扱う通販ショップであった。
余談ですが、わたくし、クジラを食べたことがない世代で ある。竜田揚げとか給食に出たよー、なんていう同年代の友人も時々いるが、愛知県は(あるいは西尾市は?)クジラを給食には出さなかった。家でも食べる機 会はなかった。立地的に海が近いので、魚に困らなかったせいもあるのかなと思う。特に夏はキスとシャコばかり食べていた記憶がある。特に、東京に出てきてから食べた シャコが、あまりにも水っぽくてマズイのに驚いた。シャコってーのはこんな味じゃない。ああ、懐かしいなぁ。
と、話が大きく逸れたところで 話を戻すけど、「ジョナサンと宇宙クジラ」を電車で読んでるとき、涙が出て困ったことがあった。悲しくて泣くばかりが涙ではない。優しさに触れるときに も、やはり人は涙するんだなぁ。SF初心者の方にも(ってわたしも十分初心者であるけれど)オススメの1冊。
投稿者 YOUCHAN : 01:04 | コメント (4)
2008年5月 2日
[個展準備] 線画作品
世間は大型連休、わたしは個展の準備と連休明けの仕事。働く皆様、もう孤独じゃない!
うっかり記録を忘れていたが、今回は線画作品も数点展示する。ひとつは、A0サイズと巨大なタペストリーで、テーマにしたのは「グラックの卵」。浅倉久志監修の「ユーモアSF短編集」で、これがまたすこぶる面白い。そこで、収録されている短編を一大絵巻物よろしく、スラップスティックに表現してみたが、これは線画が良く似合う。左から「見よ、かの巨鳥を」右にいくに従い、収録順に作品が進み、一番右端はお色気たっぷりの「グラックの卵」で締める。これは、階段の壁面に吊り下げることになっているので、階段を上りながら見ていただくもよし、二階から全体を眺めていただくもよし。
それから、あと2点線画を描いたが、こちらは「音楽山房」。先日、引退騒動まで出て大騒ぎになった(しかもガセだったというお粗末なオチ)フィル・コリンズの「Can't stop loving you」とスケッチ・ショウの「ekot」。この両者、音楽の方向性も全く違うが、前者はオーガニックな手触りが良く似合うことから、後者は無駄のないラインが良く似合うことから線画で表現することになった。
「Can't stop loving you」は、CDを聞いて泣いた。「Testify」がメチャクチャ気に入ったわたしは、「このアルバムはあなたの作品の中でナンバーワンだ!」と勢いファンレター(ハガキ)をフィルの所属しているレコード会社(アメリカ)に出した。そしたら、フィルの事務所(イギリス)からサイン入りの写真が送られてきた。これにはビックリしたなー。みんなもっと「Testify」を聴いたほうがいいよ。ああいう進化が、わたしは好きだ。
「ekot」は、YMOからずーと聞き続けてきた彼らが、こんなものを作ってしまったのか!とその変貌に驚き、感激した曲だった。過去の栄光に引きずられるどころか、どんどん新しい方向を見つけては進んで行き、しかもその時代の息吹に呼応しているとすら思った。ずっと聞いてきてよかったと思う。特にユキヒロは、今が一番いいような感じがする。
「音楽山房」は、自分の精神的なルーツになるものをピックアップしているため、セレクションがどこかちぐはぐな印象を受けるかもしれない。展示スペースの都合もあり、あれもこれも盛り込めなかったせいもある。が、わたしが個人的に受けた影響を、その1枚1枚に込められたら、と思う。アーティストたちへのささやかな恩返しの気持ち(届くとか届かないとかは別にして)で描いている。
ということで、さて。ムーンライダーズである。わたしの中の「東京」の原風景は、ムーンライダーズのサウンドと共にあったし、それは今も変わらない。どうするかなー。現在思案中。
投稿者 YOUCHAN : 18:53 | コメント (0)
[ 個展準備 ] シジジイ
前の前のエントリーでさんざん手こずったとぼやいていたスタージョン。どうしたものかと思い、「めぐりあい」をチョイスすることにした。非現実と現実の混在具合といい、ダンディな雰囲気もスタージョンらしいと思うし、なによりもシジジイだし。シジジイとは「単為生殖とかその他ある種の下等なタイプの生殖作用に付随して起こる現象の一種」だそうだ。なんのことやら。しかしながら、スタージョンはシジジイがとてもお気に入りで、「めぐりあい」の他にも、「反対側のセックス」にもシジジイが出てくる。また、スタージョンはおそらく音楽がとても好きだったのではないかと思う。「めぐりあい」の主人公は、作曲家でもあるし、「死ね、名演奏家、死ね」では、スタージョンの音楽趣味がどっさり盛り込まれている。
ということで、そんな要素を盛り込んだ絵にしてみた。タテ位置で描いているのだけれど、描いている本人がなんだか横位置のような錯覚に陥る。ラフでとても苦労した分、作画は早かった。なんだか変な絵になったし、イメージが違うといわれるかもしれないが、これもひとつのスタージョンかと。スタージョン本人も言っている、「常に絶対的にそうであるものは、存在しない」と。(スタージョンの法則)
投稿者 YOUCHAN : 00:20 | コメント (0)
2008年5月 1日
[個展準備] そして赤い薔薇一輪を忘れずに
アヴラム・デイヴィッドスン。こりゃまた何と表現したらいいか、一言では表しにくい作家である。洗練されていて、エキゾチックな香りもして、都会的でもあり、センチメンタルでいながら、ミステリアス。といっても先述のスタージョンとは全然違う。短編作家って奥が深いなぁ。ところが、デイヴィッドスンに関しては、ラフはスタージョンほど手こずらなかった。その理由はわからないのだけれど、「そして赤い薔薇一輪を忘れずに」がイマジネーションを強くかきたてたせいもあるかもしれない。個人的には成長一筋の「ナイルの水源」が大好きで、これを描く予定でいたのだが、再読してみて、この小品にやられてしまった! それにしても、短編集表題作の「どんがらがん」では描かなかったなぁ。こんなんでいいのかしら。ま、いっかー。個展だし。
ところで、今回のこの作品では、線画といつものペインティングを組み合わせた実験をした。この実験は、先日描いた「アイランド博士の死」(デス博士の島その他の物語)でも試みたが、今回はもっとコミットした感じになった。どうぞお楽しみに!
ということで、いよいよ5月。ぎりぎりだなーこりゃ......。やばいです。
投稿者 YOUCHAN : 00:58 | コメント (0)
2008年4月29日
[個展準備] 夏への扉、開け放とう
いわずと知れた超名作、「夏への扉」を描く。個人的タイムトラベルモノ第二弾。あの表紙があまりにも有名なので、こういうのは本当はやりにくい。なのだけれど、あえて、嗚呼、あえてチャレンジしてみる無謀なワタシ。リッキイ・ティッキイ・テイヴィーの愛らしさにスポットを当て、もしもティーンネイジャーの人たちが読むならこんな表紙はどうだろうと想定し、がらりとイメージの異なるポップなイラストに仕立ててみた。これはカワイイ。ピートもいます。ヌーディストの人もいるけど。
進んでるんだか進んでないんだか、わからないながらも、1点ずつ作品が出来てゆく。じりじりと。そして、タペストリーキットが届き、大判出力が上がって来、マットが出来上がり発送完了メールが届き、DMも足らなくなってきた。外堀からどんどん埋まっていく。ということで、フライヤーを追加で作る。手紙でご案内を出す方用のもの。文字や地図もDMよりも大きめ、今回描いた絵も数点追加で入れた。あとは作品を描くだけ。描いて描いて描きまくれ、ギャラリーを埋め尽くせ。(下図がフライヤーです。ポップアップで大きい画像が表示します)
それにしても、思った以上に、シオドア・スタージョンに手こずる。スタージョンは短編がやはりいい。ということで、名作「一角獣・多角獣」をセレクトするも、そのうちの1篇をチョイスしてしまうと、ファンタジーに寄り過ぎたり、ホラーに寄り過ぎたりする。一貫したスタイルを持っていながら、こういうことが起きる点において、今回ではスタージョンが一番大変だと思った。
孤独で、残酷ながら、優しさもある。都会的でありながら、オーガニックな手触りもある。ミステリの要素もありながら、SFの要素も当然ふんだんにある。毎晩毎晩、50枚以上のラフを描き続け、先日ようやく決着をつけた。まだラフの段階でこうだもの、困ったもの。これが仕事だったら、とうの昔に締め切りが過ぎていたことだろう。
スタージョン、恐るべし。
投稿者 YOUCHAN : 20:48 | コメント (0)
2008年4月25日
[個展準備] タイムトラベル3本立て
個人的なセレクションで、タイムトラベルモノを3本ピックアップした。ハインライン「夏への扉」、広瀬正「マイナス・ゼロ」、コニー・ウィリス「犬は勘定に入れません」である。わたしはタイムトラベルモノが好きなんだなぁとよくわかった。夢ですな。ロマンですな。
この3本にしたのは、「マイナス・ゼロ」と引き合いに出されるのが「夏への扉」なのだけれど、個人的には「犬は勘定に入れません」のほうがあってるような気がしたから。「マイナス・ゼロ」と「犬勘定」の大きな類似点は、推理小説の筆致を持っている点だと個人的には思っている。発表年が「夏への扉」「マイナス・ゼロ」と、「犬勘定」とでは隔たりが大きすぎるので、引き合いに出されることは難しいと思うけど、あくまでも個人的な線ということで。他にもタイムトラベル小説はもっとたくさんあるだろうし。
ということで、本日は「マイナス・ゼロ」を描く。空襲のシーンを構図に取り入れる際、内田百間の「東京焼尽」(※「尽」は旧漢字)の空爆の描写に、飛行機の腹がいもりのように不気味に赤く見えた、とあったのを思い出し、少し取り入れてみた。今回の展示で百間先生の名前が出てこようとは誰も思うまい。ふふ。(ってこれ以上は出ませんが)
投稿者 YOUCHAN : 22:11 | コメント (0)
2008年4月24日
[個展準備] 気づけないはずの出来事を
今日は「音楽山房」。ということで、コンサートで大泣きしてしまった吉田美奈子「KEY」より「Graces」をピックアップした。
曲もすばらしいが、歌詞がこれまた抜きん出ている。今日よりも明日を愛そう、そう歌う。ただの励ましではなく、傷ついている心、時々の悲しみに嘆くとき......四季は繰り返しやってくるけど、永遠の愛なんてあるのかな......生きる喜びも悲しみも苦しみもすべてを包括し、季節が巡る不思議と絡める歌。現実を直視し、それでも人生はすばらしいと謳歌する。
KEYコンサートツアーのときだから、もう10年以上経つが、彼女の歌声はわたしの心をわしづかみにして、そして言葉どおり、わたしを泣かせた。周囲のひとも何人か泣いていた。歌詞の力、曲の美しさに加え、彼女の歌声だ。声の力だ。
今なおこの曲をCDで聴くたび、わたしは涙腺が熱くなるし、あのときの気持ちを思い出す。深い深い慈愛に満ちた感動だった。そんな音楽を贈ってくれた彼女への、わたしなりの感謝の気持ちを込めて、絵に託してみた。
「気づけないはずの出来事を 素敵だと思える街のGrace」
そのGraceこそが、あの日の渋谷公会堂での歌声だったと、今もそう思っている。
投稿者 YOUCHAN : 00:33 | コメント (0)
2008年4月22日
[個展準備] アンドロイドはブレードランナーの夢を見るか?
昨年、「ブレードランナー」のディレクターズカット最終版(だっけ?)の上映があり、ブレラン好きとしてはこれは抑えておかねば!と、NORIと二人で新宿の映画館に向かった。とにかく音がすばらしく、ストーリーは何度も見てるから目新しさはないけれど、ともかくあんなに雨が降ってたっけ!?と改めて驚いた。映画館を出ても、「ああ、そういえば外は雨だっけ」と錯覚を起こしたほどだ。そして、エスカレーターを降りるときに一望した新宿の夜景ときたら! まさにブレランの世界観そのものだった。雨が降っていればカンペキだったろう。
ただし、原作のP.K.ディック「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」の世界観は真逆だ。雨なんか一滴たりとも降らない。どちらかといえば、放射能をたっぷり含んだ砂塵吹きすさぶ、廃ビルだらけの世界。乾いているのだ。リドリー・スコットが、この物語を映画化する際に取った意訳が、どれだけ思い切ったものか。それに、すばらしい世界観だった。そこには敬意を表したいと思うと同時に、やっぱ違うよね、という思いもあり、原作に沿ったビジュアルを心がけてみた。生きている動物を飼うことがステイタスで、地位の象徴でもあった地球。賞金稼ぎをして、その大金で動物を買う「原作のリック・デッカード」は、映画よりももっともっと人間臭い。全然かっこいくはない。だから、かっこいい絵にはしなかった。これも一つの世界観だと思う。ディックが織り込んだ、心象世界の描写には、わたしは触れなかったが、そこに着目し、表現したオリジナル文庫版の表紙を手がけたイラストレーターさんの手腕にも改めて敬意を表したいと思う。
投稿者 YOUCHAN : 21:11 | コメント (0)
2008年4月18日
[個展準備] デス博士の島
ジーン・ウルフの「デス博士の島その他の物語」を描く。
「death」と「doctor」と「island」の3つの単語から成り立つ、言葉遊びのようなタイトルの不思議な短編たち。その中の「アイランド博士の死」に、島と海と宇宙が交錯する描写があって、それがとてもとても美しいと思った。こういう不条理な描写って、奇想好きにはたまらない。ウルフの世界観にどこまで近づけたかはわからないけれど、今回はこれをモチーフとした。ミステリーとしても読め、解釈が幾通りも思いつき、議論が活発だったのは「アメリカの七夜」だったけど、イメージとしては、やっぱ「デス博士」シリーズかと。
また、線画と従来のカラー画との技法を組み合わせる、といった、個人的な冒険をした作品でもある。展示では、「表面化するテーマ」と、「内的なテーマ」、そして「表現技法」の3つのテーマが常にある。さらにトータルで世界観が形作れるかどうか、などなど。うーん、個展はエネルギーが要るなぁとつくづく思う。
と同時に、わたしはこんなにも小説が好きだったのかと、少々自分でも呆れている。毎晩、寝る頃には消耗しきって、本すらまともに読めないほど眠気に襲われている。そのくせして、気持ちだけはブルブルと高ぶっている。今回の個展のモチーフにしたい本をまだ読んでいる。2冊平行、全然進まない。電車に乗ってもスグに爆睡。全然ページが進まない、これはこれで困っておりやす。むぅー。
あ、仕事もちゃんとやってますのでご心配なさらないでください>クライアント各氏
投稿者 YOUCHAN : 19:32 | コメント (0)
2008年4月16日
[個展準備] ディレイニー
無謀だと思った。「アインシュタイン交点」を絵にすることは。第一、曖昧模糊としていて理解できなかった。なのに、目まぐるしい色彩と造形の洪水が、行間から押し寄せてきたから、仕方がないじゃないか。その第一印象を絵に描いておくことは悪いことじゃない。いいかもしれない、と決意した(って大げさな)。
まずは、もともとのタイトル「A Fabulous, Formless Darkness(摩訶不思議な混沌とした暗闇)」という言葉に惹かれた。そして、冒頭のフィネガンズ・ウェイク、これにもう打ちのめされた。「あたりが暗くなる、(色が衰え/沈々と静まり)......」これだけが動機だ。ということで、「スローターハウス5」と「グラックの卵」の次に描いたのは「アインシュタイン交点」でした。
ところが、描き上がって気がついた。訳者あとがきで、伊藤さんが「前回読んだ印象では、音楽を奏でる剣やら、ドラゴンやら、食肉花やら、SFというより安っぽいヒロイック・ファンタジィと見まがうような物語。ところがその背後に、これほどたくさんの意味と緊密なロジックが潜んでいたとは...」云々と書くくだりがあった。......音楽を奏でる剣やら、ドラゴンやら、食肉花やらって、や......やばい、そのまんまだよおいら!
ということで、個展までひと月半ありますが、先に謝っておきます。読み込んでから、また描いてみます。「スローターハウス5」のように。何年もかかって完成するのかもしれない。第一歩の「アインシュタイン交点」、個展会場でお披露目いたします。
投稿者 YOUCHAN : 16:10 | コメント (0)
2008年4月13日
[個展準備] 搬入まで40日
明日の月曜日から搬入日前日の23日まで数えたら、ちょうど40日だった。
子供たちの夏休みと同じ長さだ、わーい と思うとなんだかとても長い気がするけど、
単純計算して2日で1枚仕上げても、たった20枚しか仕上がらない。
なんて人生は短いのだろう。
とは言うものの、レギュラーの仕事もあるので、個展の制作ばかり
してるわけにはいかないし。
この40日間、有効に使わないとマズイ。ホントにマズイ。
今日は「音楽山房」のイラストを描く。
「Everlasting Loveship」という、ミッキー吉野さんの曲で、
わたしが人生で好きな曲の5本の指に入る1曲。
あまり知られていない曲かもしれないけれど、詞も曲もとにかく素晴らしい。
10年くらい描きたいと思ってラフを描いては断念し、
ラフを描いては断念し、を繰り返して、今年、ようやく形になった。
今の力量では精一杯の出来。
個展でお披露目します。
投稿者 YOUCHAN : 23:58 | コメント (2)
2008年4月11日
[個展準備] ヘタすぎる
前のエントリーで「20年前に描いたB全作品の『スローターハウス5』も展示する」と書いてしまった。今年の作品をB1出力に出すため、出力紙をどうしようかということになり、とりあえず見てみよう、その20年前の作品を、ということになった。ばりばりとガムテープをはがし、引き上げてきたB全パネルを出してみた。
......へ、ヘタすぎる。どうしよう、こんなの展示していいのか!?
NORIちゃんからは「これは勇気をもらえる! 励みになっていいかも」とか「今の自分だったら『イラストレーターになる夢、諦めな』って絶対諭すよね」と散々な言われようだ。ちぃっ、小賢しい。言われるまでもないわー! それにしても、こんなにヘタだったかオレ。びっくりした。
B1のパネルの下地に一所懸命塗りこんだ筆の幅が狭すぎたんじゃないかとか、いや、そういう問題だけじゃないな、とかデッサンひどいな、とか。ああもう、どうしよう。これ、ロールスクリーンでも取り付けて、見たらスグに下ろしてもらう仕掛けにしたい。トホホすぎる。
それにしても、ヘタはヘタなりに一所懸命描いている。それだけは認めよう。ああ、若さゆえの過ちとはこの事をいうのだな、シャア少佐。展示取りやめたい。取りやめようかな。イヤまじで。と言うと、NORIちゃんは「だめだよー、コレも展示の売りなんだから」と言う。ヒトゴトだと思って。ああ、確認してから決めればよかった。思い出は脳内で美化される。
とりあえず、ビニル張りだけはやり直さないといけない。実家にある間にビニルは剥がされ、インレタもむき出しでところどころ欠けている。それはともかくとして、パネル全体が埃をかぶっているので、毛の柔らかい刷毛で表面をきれいにして、20年ぶりにビニルシートを張りなおさなくては。ドライヤーをかけながら。それにしても、ああもういやになるなぁ。いろんな意味でトホホ。
投稿者 YOUCHAN : 22:47 | コメント (2)
2008年3月 6日
[個展準備] 個展まであと何日だらう
個展のフライヤーなんて作ってみちゃいました。A5サイズとかで印刷するとかわいいです。
PDFも一応ご用意しましたー。Acrobat5以上の設定に、一応してあるです。
投稿者 YOUCHAN : 23:49 | コメント (0)
2006年7月 1日
個展の風景
先月の5月29日〜6月3日の1週間、ゑいじうさんにて開催しました個展
「文学山房」のスナップ写真です。


いただいたお花たち。いい香りをギャラリー内に振りまいてくれました。
差し入れも、お花のほかに、お菓子をいただいたり(ご馳走様でした!)、
モビルスーツのフィギュアなど。多種多様で泣けます。
投稿者 YOUCHAN : 00:46 | コメント (2)
2006年6月30日
パノラマ島綺譚

※クリックすると、大きな絵がポップアップいたします。どうぞご覧ください。
二人は、一方に於いて、限りなき愛着を感じ合いながら、一方に於いては、
廣介は千代子をなきものにしようと企み、千代子は廣介に対して恐るべき疑惑を抱き、
お互にお互の気持を探り合って、でも、そうしていることが、
決して彼等に敵意を起こさせないで、不思議と甘く懐しい感じを誘うのでした。
(江戸川 乱歩「パノラマ島綺譚」より)
オリジナルイラストです。
手に手をとって不思議な島を巡るふたり。水中トンネルの外には人魚が泳ぎ、
そうかと思う内に森が開け、羊羹を切ったように完璧で美しい人工の岩肌には滝が落ち、
ドームの内側には空が描かれ、温泉には美女が…。
ここはパノラマ島。一人の男の妄想が形になった不思議な島です。
投稿者 YOUCHAN : 22:08 | コメント (7)
2006年6月28日
鬼火

そしてそれが一瞬の光芒を誇りながら、
再び闇の底に沈んで行った後には、
唯一団の青白い焔が、鬼火のように閃々と明滅しながら、
飄々として、湖水の闇の中を流れて行った。
(横溝正史「鬼火」より)
オリジナルイラストです。
横溝正史は、金田一耕助シリーズで有名な作家ですが、「鬼火」は探偵小説ではありません。
戦前の正史の作品には耽美的なものがいくつかあり、
中でもわたしはこの「鬼火」を最も愛好しています。
「鬼火」は、どこまでも憎み合った従兄弟同士の、壮絶な愛憎劇を執念深く描ききった作品です。
「鬼火」が最初に発表された雑誌は、昭和10年の「新青年」。前後編にて掲載されましたが、
その当時に掲載された挿絵は、竹中英太郎という画家によるもので、傑作と評されました。
私自身、初めてその挿絵を見たときの感動は、
「鬼火」を読んだときの衝撃に引けをとらないものでした。
投稿者 YOUCHAN : 13:24 | コメント (2)
2006年6月27日
夢野久作像(巻頭歌)

オリジナルイラストです。
「胎児よ 胎児よ なぜ踊る 母親の心がわかって 恐ろしいのか」
…これは、「ドグラ・マグラ」の冒頭を飾った歌です。
イラストの背景は、胎児の踊る羊水をイメージしました。
夢野久作ご本人は顔が長くて、頭の大きな人でした。
たいへんお洒落な人だったそうで、確かに、どの写真を見ても、
久作はモダンボーイそのものの格好をしてポーズを決めています。
また、ヘビースモーカーとしても知られており、
長ギセルをくわえている写真が有名です。
投稿者 YOUCHAN : 22:39 | コメント (0)
2006年6月26日
人の顔

と言いさしてチエ子は口を噤んだ。
ビックリしたように眼を丸くして、父親の顔を見た。
しゃがんでいた父親は、いつの間にか闇の中に仁王立ちになっていた。
両手をふところに突っ込んだまま、
チエ子の顔を穴のあくほど睨みつけていた。
(夢野久作「人の顔」より)
オリジナルイラストです。
チエ子は孤児院から航海士の夫婦の家に引き取られた女の子です。
夫婦はチエ子をとても可愛がっていました。
ただ、チエ子は少々奇妙な子供で、母親と外出していると、
ふと立ち止まって「お屋根をじぃっと見ていると、人の顔が見える」
云々と話し出すようなところがありました。
投稿者 YOUCHAN : 11:46 | コメント (0)
2006年6月25日
早速やってみました
一個前のエントリーで、「帯に夫人なしにしちゃえば?」という
提案があったので、早速やってみました。

これが元のカバーです。で、帯を付けてみると…

じゃじゃーん!
トレペっぽく感じますが、色を薄くした紙です。
この夫人は「ジェイルバード」のキーになる人物ですから
ネタばれ防止にもなって、いいかもしれません。
…ってなにやってるかといいますと、今、個展作品をまとめた
ファイルを作っているのです。
投稿者 YOUCHAN : 01:15 | コメント (4)
2006年6月23日
ジェイルバード

もし、メアリー・キャスリーンがほんとうは何者であるかをわたしが知っていたら、
彼女の両手を切り落としたがっている連中がいるという本人の話にも、
もっとなっとくがいったろう。
(「ジェイルバード」カート・ヴォネガット:著/浅倉久志:訳 より)
オリジナルイラストです。
RAMJAC(ラムジャック)コーポレーション。
この会社は、アメリカ産業界を牛耳っている大企業であり、
その大株主のジャック・グレアム夫人は、5年ほど前から表舞台から姿を消していました。
しかし、企業の買収があったとき、「あなたをRAMJACファミリーに歓迎します」と
グレアム夫人の肉筆の手紙が書かれ、署名の下には八本の指と二本の親指の指紋が押されます。
八本の指と二本の親指の指紋…。これが「本物」の証明なのです。
投稿者 YOUCHAN : 21:24 | コメント (6)
2006年6月22日
キャラコさん

「絹ではいかんな。木綿のような女でなくてはいかん」
剛子の一家は、父の光栄ある恩給だけでたいへんつつましく暮らしているが、
剛子がキャラコの下着(シュミーズ)をきているのは、それには関係がなく、
もっと深い感情のこもったことなのである。
(久生十蘭「キャラコさん」より)
オリジナルイラストです。
キャラコさんの本当の名前は石井剛子(つよこ)。
質実剛健の「剛」の字を取ってつけられた名前です。
「これからの女性は男の言いなりになるようなヘナヘナではいかん」
という父の願いが込められた大切な名前を、
キャラコさんはとても誇りに思っています。
また、もうひとつ「キャラコさん」という呼び名は、
剛子が質素なキャラコ(木綿)の下着をつけていたのを従姉妹たちに見られて以来、
呼ばれるようになったのでした。
従姉妹たちはシルクの下着を着けていましたから、
剛子のことをからかってこんな呼び名をつけました。
けれど、剛子はキャラコさんという名前を気に入っていたし、
周囲からもこの愛称で呼ばれるようになったのでした。
投稿者 YOUCHAN : 09:38 | コメント (2)
2006年6月21日
百鬼猫

オリジナルイラストです。
わたしは、内田百間をイメージした猫のキャラクターを描いてみました。
すると、その猫になった百間先生が…いえ、百間先生になった猫が……
とにかく、先生がわたしに声をかけてきました。
貴君、貴君…。
投稿者 YOUCHAN : 09:21 | コメント (2)
2006年6月19日
件(くだん)

こんなものに生まれて、何時迄生きてゐても仕方がないから、
三日で死ぬのは構はないけれども、預言するのは困ると思つた。
(内田百間「件」より)
オリジナルイラストです。
「件(くだん)」は大正11年に発表された、幻想味あふれる短編作品です。
そもそも件とは日本に古くから伝えられている物の怪で、その姿は頭が人で身体が牛です。
生まれて三日で不吉な預言を残して死ぬといわれていますが、
内田百間が描く「件」は、自分がどうして件になってしまったのかが理解できていません。
投稿者 YOUCHAN : 23:53 | コメント (0)
2006年6月18日
Manyoについて

Manyoについて
『Manyo-万葉-』は感性に訴えるリコメンド型のプレミアムマガジンです。
季節を感じる食と空間、大人の着こなし、こだわりの嗜好アイテム、大切な人との旅など…
粋で上質なスタイルを提案。
不易流行をコンセプトに、日本人の遺伝子(DNA)に刷り込まれた「想い」や「憧れ」を、最新の
「食・遊・旅・モノ・ファッション」を通じて語ります。
また、『Manyo-万葉-』は雑誌のような感覚でページをめくることが出来る、次世代電子雑誌です。
閲覧には、専用ビューア「FlipViewer」をお使いのIEブラウザにインストールするだけ。
閲覧は無料で、Win/Mac共にお楽しみいただけます。
ご自宅で、職場で、大切な人と、上質な大人の時間を『Manyo-万葉-』とともにお過ごしください。
連載「文学山房」について

この『Manyo』創刊号から掲載されているYOUCHANの連載が
「文学山房 一篇の文学とイラストレーション」です。
今回の個展では、『Manyo』で掲載したイラストレーションを中心に展示しておりますが、
『Manyo』誌上では、そのほかに「併せて読みたい一冊」として、もう一冊のオススメ本を、
また「併せて聴きたい音盤」として、掲載号のテーマに合ったCDのご紹介もしています。
「次へ」ボタンをクリックすると、右側のテキストエリアが
さっとスクロールして切り替わる仕組みになっています。
また、イラストのイメージに合ったBGMも流れます。
「文学山房」は、見て、読んで、聴いて楽しいコンテンツです。
(以上、展示パネルより転載)
投稿者 YOUCHAN : 00:38 | コメント (0)
2006年6月17日
月と菓子パン

ぽってりとした夜中の満月は、菓子パンのなかのクリームの
練り上げたような黄色をしていると思った。
(石田 千「月と菓子パン」より)
Manyo 2006年7月号に掲載されています。ぜひご覧ください。
投稿者 YOUCHAN : 23:53 | コメント (2)
2006年6月16日
センセイの鞄

ツキコさんこそ、あのときの男子とどこかに行ったんですか。
センセイが聞き返した。え?とこんどは私が首をかしげる。
(川上 弘美「センセイの鞄」より)
Manyo 2006年6月号に掲載されています。ぜひご覧ください。
投稿者 YOUCHAN : 23:45 | コメント (0)
2006年6月15日
さくら

もっともっと多く見るような気がするのは
祖先の視覚も
まぎれこみ重なりあい霞だつせいでしょう
(茨木 のり子「さくら」より)
Manyo 2006年5月号に掲載。バックナンバーよりご覧ください。
投稿者 YOUCHAN : 22:42 | コメント (0)
2006年6月14日
往復書簡

たくさんの年を重ねる必要はない、
物語を書きはじめればいい、書かなくてはならないから
書くのです。
(トーベ・ヤンソン「往復書簡」より)
Manyo 2006年4月号に掲載。バックナンバーよりご覧ください。
投稿者 YOUCHAN : 20:16 | コメント (2)
2006年6月13日
月夜と眼鏡

月の光は、うす青く、この世界を照らしていました。
なまあたたかな水の中に、木立も、家も、丘も、
みんな浸されたようであります。
(小川未明「月夜と眼鏡」より)
Manyo 2006年3月号に掲載。バックナンバーよりご覧ください。
投稿者 YOUCHAN : 14:33 | コメント (0)
2006年6月12日
北溟

岸にはさっきから吹き寄せた雲だか綿だか解らない物が
段段積み重なって、その中から色色の大きさの
膃肭獣(おっとせい)がのぞいたり隠れたりしている。
(内田百間「北溟」より)
Manyo 2006年2月号に掲載。バックナンバーよりご覧ください。
投稿者 YOUCHAN : 22:22 | コメント (0)
2006年6月10日
雪のひとひら

それらはいずれもいかにも広大に見えながら、
ひとたびかの巨大な太陽や、月影や満天の星に思いをいたせば、
まことに取るに足らないささやかさでした。
(ポール・ギャリコ「雪のひとひら」より)
Manyo 2006年1月号に掲載。バックナンバーよりご覧ください。
投稿者 YOUCHAN : 13:00 | コメント (6)
2006年6月 9日
家守綺譚

まるで夕闇から滲んで出てきたかのように、
周囲との境がはっきりしなかったのだが、微動だにしない、
その地蔵のような気配に、妙に引き付けられた。
(梨木 香歩「家守綺譚」より)
Manyo 2005年12月号に掲載。(この回より、「文学山房」として連載が独立しました)
バックナンバーよりご覧ください。
投稿者 YOUCHAN : 16:25 | コメント (0)
2006年6月 8日
夢十夜
今日から一日に一点ずつ、個展での展示作品をご紹介していきます。
トップバッターは、「Manyo」創刊号に掲載された、この作品から。

赤い日が東から西へ、東から西へと落ちて行くうちに、
------あなた、待っていられますか
(夏目 漱石 「夢十夜」より)
Manyo創刊号に掲載されています。(第一回目のみ、「二人のエンタテインメント」内)
バックナンバーよりご覧ください。
投稿者 YOUCHAN : 13:51 | コメント (2)
2006年6月 5日
happy ending!

「鬼火」作品の前で。(photo by nori)
無事に1週間の個展が終了しました。
さまざまな出会いや再会がありました。実り多き展示となり、安堵しています。
と同時に、この個展で「撒いた種」に水をやり、丁寧に育んでゆくことを
怠らないようにしなくては…と気持ちを新たにしている所です。
個展は終わりましたが、まだまだ続いている感じがあります。
さまざまな面でサポートしてくださったManyo編集部 F戸さん、PCM竹尾 O槻さん、
ご来場くださったみなさま、行けなかったけど応援してくださったみなさま、
ゑいじうのマスター&ママ、NORIちゃん…
本当にありがとうございました。
今後ですが、展示作品につきましては、日を追って少しずつ当BlogにてUPしてゆきます。
「モチーフとなった文学作品を読んでみたくなった」という感想も多く聞かれましたので、
該当する文学作品の収録されている本も併せてご紹介していこうと思います。
ゆっくりやりますので、のんびりとしばらくお付き合いください。
まずはお礼とご報告まで。ありがとうございました。

「パノラマ島綺譚」の作品の前で。(photo by 岩崎さん)

ゑいじうにて。展示の模様(一部)
投稿者 YOUCHAN : 00:32 | コメント (10)
2006年6月 1日
あと二日です

早いような長いような。
展示もあと二日となりました。
いろんな人とあってお話しすると、ホントいろいろ勉強になります。
明日はどっちへ行こうか…ずっと先を歩いている人でさえ、
前を向いてそのことを考えている姿を見ると
背筋がしゃんと伸びる気持ちです。
気の置けないe-spaceの皆さん、可愛がってくださる諸先輩方、
いろんなところで顔をあわせるけど、ちゃんと話すのが初めてな人、
はじめまして!の挨拶が嬉しい方、お仕事関係の方、
お仕事じゃない所でつながってる方、遠方からはるばるやってきた方、
ふらりと立ち寄ってくださった偶然の賜物な方…
みなさん、ありがとうございます。
あと二日です。
暑い毎日ですが、ぜひお運びください。
お花もきれいに咲いてますよ。ありんこも這ってますが。

投稿者 YOUCHAN : 23:54 | コメント (5)
2006年5月31日
ザクの差し入れ
個展にお運びいただいて、お顔を拝見するだけで嬉しいし、
作品を見てもらうだけで勇気凛々なのです。
が、中には、お土産を差し入れてくださる方もいらっしゃいまして、
わたし的にはありがたく頂戴しております。
が。
今日(30日)に来てくださった林さんの差し入れは一味違いました。
それはコレです。

シャア専用ではなく、量産タイプにしたのは、もし仮に
トゴルにザクがあっても、量産型なら困らないだろう、という
理由からだそうです。
グッジョブ、林さん!
つーか、女子の展覧会の差し入れではありえないセレクションです。
会場に飾っておきたい衝動に駆られましたが、
おうちのズゴックさんも待ってることですし、
おうちに持って帰りました。(組み立て係はNORIちゃん)
投稿者 YOUCHAN : 00:18 | コメント (3)
2006年5月29日
展示がはじまりました!!
先週の土曜日(5/27)は、大雨の中、搬入に行って来ました。
搬入は、NORIちゃんが大変なコンディションのなか、車を出してくれました。

ほとんど寝ずに準備しての搬入だったので、帰路に着いたとたん、
あっという間に乗り物酔いに…。
5/29の月曜日から個展が始まりました!
展示が完全に終わっていなかったので、朝一で残った分の設営をすませて、なんとか形に。
これを通称「あとのせサクサク」と呼んでます。
(ダウンタウンの松っちゃんがリンカーンで使っていた)
オープニングは大盛り上がりでした。
e-spaceのみなさん、いつも来てくださるお友達の皆さん、
今日はじめて運んでくださった方々、本当にありがとうございます。
そして、お手紙を出した、ある出版社の方が来てくださったのに足が震えました…。
いろいろお話をさせていただけて、じっくり作品を見ていただけました。
ダメモトでお手紙を出してよかった…。読んでいただけたんだー!と感動しました。
そして、お開きの時間。
最後の最後まで2Fの展示室に残っていた方と記念撮影。
先に帰っていただいた1Fで盛り上がってくれた皆さんも、お忙しい中、お疲れ様でした。
ありがとうございました。

展示は6月3日まで続きます。
毎日ギャラリーにはおりますので、近郊の方はぜひ遊びにいらしてくださいね!
※展示作品の詳細写真は、展示終了後にUPしますので、お楽しみに〜。
投稿者 YOUCHAN : 23:59 | コメント (8)
2006年5月20日
「人の顔」遍歴
一昨年に開催した、友永たろさんとのふたり展で出展した
「宮益坂」という作品があります。

コレなんですが、わたしの展示作品の中では一番人気でした。
ですが、実はこの作品は、もともとは、夢野久作の「人の顔」を
モチーフにしたイメージイラストを猫に置き換えたものなんです。
今回の個展で、やはり「人の顔」をちゃんと完成させておきたい!と思いまして
一昨年のラフを引っ張り出してみました。

…あれ? こんなだっけ…??
ラフは私の脳内で大きく美化されていたのです。
こんなんじゃ、だめじゃん!!!とひとしきり落ち込んだ後、
描き直したラフはコチラです。

これがどんな風に仕上がったかは、ぜひ会場でご覧ください!
会場にこれない方は、展示終了後にWEBにて公開いたします。
ただ、今回、このイラストと「鬼火」は、
楮(こうぞ)という和紙ベースの紙に印刷しています。
この紙は、ペーパーショウでPCM竹尾さんが発表されていまして
その色あいにクラクラと一目ぼれ。
絶対何点かの作品は楮で刷るぞ!と心に決めていました。
そのため、PCで見るのと楮に印刷したのとでは
全然イメージが違います。
狙ったとおりの効果がでました。
が。
このイラストの雰囲気で…というお仕事の依頼が、もしも来たときは
出力したものをアナログ入稿するか、
それとも印刷物の用紙を楮のような紙にしてもらうしかないじゃん。
はた、と気が付きました。
紙は出力の命ですねぇ。
それにしても、想像以上の刷り上りに、ため息です。
投稿者 YOUCHAN : 17:39 | コメント (4)
2006年5月17日
パーティーなどのこと
今日、ゑいじうさんに伺って、初日のオープニングパーティーのこととか
展示期間中のこととか、いろいろ打ち合わせてきました。
ゑいじうさんは、行った事のある人はご存知だと思いますが
1階部分がカフェで、2階が展示室となっています。
そこで!
初日(5/29 17:00〜19:00)のオープニングパーティーは、
飲食については1階で行います。
2階への食べ物&飲み物の持ち込みは無しということで。
2階でゆっくり作品を鑑賞していただいたら、1階に下りてきていただいて、
みんなで楽しくわいわい♪やりましょう。
お料理もお願いしておきました。
ゑいじうさんのお料理はとっても美味しいので、楽しみです。
ビール、ジュースなどをご用意いたしますので、お気軽にご来場ください。
パーティー会場に見知らぬ人がいたら、どうぞその場で名刺交換してください。
わたしも、できる限り橋渡しをします。それで、みんなで楽しく歓談しましょう。
知り合いが増えて楽しかった〜、と思ってもらえて
作品もちゃんと見れてよかった〜と思ってもらえるような個展にしたいと
思っております。よろしくです!
それから、展示期間中は、お茶などのお飲み物は
わたしのほうからはお出しいたしません。
お茶を出してもらって、ありがたい場合もありますが、
結構お腹一杯なのに入れてもらった以上は飲まざるを得ない
といった状況とかのほうが多いような気がしました。
また、紙コップなどのゴミがすごいことになり、それは避けたいな、と。
喉が渇いた方は、ぜひ1階のカフェで美味しいお飲み物をお召し上がりください。
リーズナブルなのに、すごく美味しいコーヒーはオススメです。
あっ、でも別に飲み物を飲まなくても、
展示室の方へはいつでも自由にお入りいただけますので
ドリンクチャージとかはありません。
そのあたりもご安心ください。入場無料です。
喉が渇いたら、1階のカフェの方をご利用ください!
あと、芳名帖の設置もしない予定です。
貴名箱をご用意いたしますので、お名刺を入れていただくか、
備え付けの名刺大の用紙にお名前などを記入して入れてください。
一応、個人情報保護の立場で…ということもありますが、それ以上に
芳名帖の場所で渋滞が起きることを避けたいなと思ったからです。
BGMは「Manyo」の「文学山房」でご紹介したCDを中心に
かけてもらいますので、そちらもお楽しみに!!
投稿者 YOUCHAN : 19:59 | コメント (0)
2006年5月12日
紹介いただきました
DMですが、ギャラリー犀さんにひきつづき
銀座ふそうギャラリーさんでも置いていただくことになりました。
快諾していただき、ありがとうございました>金田さん
それから、作画には欠かせないタブレットのWACOMさんの
サイトのニュースフラッシュに掲載していただきました。
WACOMさん、ご紹介ありがとうございました。
いろんな方のご協力をいただけて、幸せです。
がんばって制作を進めなくては。あと2週間です。
関係ありませんが、ウチのネコのサービスショットです。

なにを相談しているのかにゃ〜。
投稿者 YOUCHAN : 21:14 | コメント (4)
2006年5月 9日
DMはこんなです

そういえば、全体像をちゃんと掲載してなかったことに気が付きました。
こんなDMです。三鷹のギャラリー犀さんでもハガキを置いていただけることになりました。
斉藤さん、快諾してくださってアリガトウございます!
見かけたら、手にとってください。よろしくお願いします。
投稿者 YOUCHAN : 11:10 | コメント (2)
2006年5月 6日
できたこととできなかったこと
Manyo6月号が更新されました。
今月の文学山房は、かの川上弘美さんの名作「センセイの鞄」です。
画像は、一部だけお見せします。
ゑいじうでも展示しますので、ゆっくりご覧ください。

連休中は、大作「パノラマ島綺譚」をようやく完成させました。
4連作です。おそらく、今回の展示の目玉となる作品のはずです。
連休明けに出力に出せます。遅くなっちゃったなぁ…。
そして、引き続き「鬼火」のラフをやりましたが、これが進みませんでした。
煮詰まって煮詰まって、もうだめだったので、
その日は泣く泣くあきらめました。
「鬼火」は、横溝正史の最高傑作だとわたしは思っています。
その気負いがありすぎるせいかもしれませんし、
あの竹中栄太郎のすばらしい挿絵を見てしまったことも
大きなプレッシャーなのかもしれません。
ですが、わたしなりの「鬼火」のラフが、なんとかできました。
ちなみに、この絵を描いたときに、繰り返し聴いたのは
ムーンライダーズの「鬼火」でした。
ライダーズの「鬼火」は、ヌーベルヴァーグの方であって、
横溝の方ではないはずですが、
生き損なった俺の心 とか
古い夢の中に 汚点(しみ)を残して…といったフレーズや
前奏や間奏で流れる、物憂いような、凄みを感じさせるあの旋律が
横溝の「鬼火」の世界観に通じるものがあるように思いました。
ラフは出来た。けれど、どんな作品になるかは、神のみぞ知る…。
私なりの「鬼火」、どうかどうか描ききれますように。
祈る気持ちです。
投稿者 YOUCHAN : 20:44 | コメント (2)
2006年5月 1日
パノラマ島綺譚
………終わりません。
「パノラマ島綺譚」の絵に取り掛かり始めて、10日以上経っている気がします。
今回の出展作品の中で、一番大きな絵とは言え、時間がかかりすぎています。
誰がこのラフ描いたんだと文句を言いたくても…それは自分です。
今日くらいにはできるかなぁ。細かいよぅ、描きこみが…。
…やりすぎだ。
この作品は4000PXでは出せないサイズなので、
外に出力に出すのです。なんとしても完成させたい。
ホントは連休前に完成予定だったのにぃ……。
今、事情があって、朝方生活です。
今日は7時半におきて、プラゴミを出してそのままお散歩。
お正月にお札を貰った氏神様の祭ってある神社まで
20分くらいてくてく歩いて、お参りしました。
その帰り、道を替えてみようと思ったのが大間違いで、
…若干迷いました。土地勘がまだ全然ありません。
(引っ越してきて、まだ2年)
結局、1時間、朝食前にウォーキングです。
ちょっと疲れたけど、なんだかいいかも!
毎朝、歩こうかな〜。神社って気持ちいいですし。
さー、これから洗濯物干したら、またパノラマ描くっす。うおー!
(ホントは今日出力に出したい……無理か。ムリそうだな…)
投稿者 YOUCHAN : 09:42 | コメント (3)
2006年4月22日
個展のテーマ
今回の個展のモチーフは、文学作品です。
基本的にはわたしがチョイスした古今東西の文学作品を
自分なりに消化して、イラストレーションにして表現したものが
今回の『文学山房』の展示テーマとなります。
Manyo(万葉)誌上で連載したものが中心となりますが
どうしても誌面の性質上、テーマ性がそぐわない文学については
描きおろしで発表します。
DMの表面には、今回のモチーフとなる予定の作品の
一覧が書かれていまして、以下の通りとなります。

わたしのイラストレーションは、色使いがキレイで明るい部類だと思います。
そんなわたしが惹かれてやまないのは、文学の影や闇の部分です。
なにごとにおいても、陰と陽の側面があってこそ成り立つのではと、
個展では、影の部分もきちんと前に出していくつもりです。
テーマも、手法も、一本に絞っていく分、
陰と陽への振れ幅が取れればいいなと感じています。
ここにリストし切れなかった大好きな作家もたくさんいます。
第一、足穂がいない、虫太郎もいない。ブラッドベリもバーコヴィチもいない…。
描きおろしは、できれば、もっと描きたいのです。
が、ギャラリーのキャパ的にも、あとわたしの力量的にも不安があるので、
まずはDMに明記した分はちゃんと出せるようにしたいと思います。
投稿者 YOUCHAN : 13:51 | コメント (5)
2006年4月19日
DMのデザイン

これがDMの全貌です。
表面は、文庫本をイメージしたデザインです。
帯が巻き付いてて、キャッチコピーが入ってるみたいな。
でも、厚みが無いと全然文庫に見えないですね。
今回の展示は、Manyoで連載しているイラストを中心に、
描き起こしもプラスしての内容ということになります。
描き起こし作品は、ちょっと濃い目(?)の作品がラインナップされてます。
宛名面は、会期と地図などです。下記がそれですが、
協賛にPCM竹尾さんが、後援にManyoさんが加わってくださいました。
![]()
※上記画像をクリックすると、大きな画像がPOPアップ表示します。
本が好きで、その思いを絵に託しました。
いろんな作品があります。これから描くのもあります。
投稿者 YOUCHAN : 16:51 | コメント (6)
2006年4月16日
DMがとどきました
5月に開催する個展のDMが今朝とどきました。
いろいろなところに出すつもりです。
それを思うだけで、胸が高鳴ります。うふふふ。
お仕事をがんばって終わらせなくては!
DMのデザインや制作記録などは追ってUPしてゆこうと思います。
あっ、個展は5月29日〜6月3日です。
そいでもって、一応、展覧会情報のページを作りました。
リンク先は、 http://www.youchan.com/bungaku/ となります。
「うつつにぞ見る」の特設ページっぽい感じで
NORIちゃんに設定してもらいました。
情報トップのバナーなど、まだ整えてありませんが、
追々整えていきます。ぜひとも応援してください!

