東京焼盡[2]
出先の帰りの電車の中で読み終わった。
「戦禍の市井の人々の暮らし」を書き綴ったものといえるだろう。
日記なので、随筆のように読みやすくはないが、
それゆえにリアルに胸に迫るものがあった。
世の中が、見えない「なにか」の力で、どんどん異常になっていくさまを
人々はうんざりしながらも受け止めて、助け合いながら
(時には嫌がらせもあるけど)生きていた。
これまでの他の百鬼園随筆とは一線を画すものだろうが、
これはこれで紛れもない傑作ではないか。
そう思いました。
終戦記念日まであと1ヶ月。
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