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善い人は死んで七日目にして生まれ変わり、
そうでない人は7x7日の四十九日目にして生まれ変わる、
というのが仏教の言うところの輪廻転生らしい。
田中さんが昇天して一週間。
あんなに善い人はいなかった。間違いなく、もう生まれ変わったことだろうと思う。
田中さんが亡くなったと聞いて、イメージが重なったのが
ヤナカのアンキさんこと、版画家の谷中安規(たになかやすのり)である。
田中さんは48歳、アンキさんは49歳と、
年齢が近かったせいもあるかと思うが、
おそらくこの二人は、その表現も含め、生きることへの
ひたむきさにおいて、私の中で重なるものがあったんだろうと思う。
以前届いた「日没閉門」は内田百衄†渋紊凌鑄†犬任△襦†
大正期から執筆していた百蟆Г†⊂赦†40年代に出版した最後の随筆集では、
水洗トイレや、新幹線のことに言及している(これがテーマということではない)。
長く生きることは、やはりいとおしいことだと思う。
田中さんやアンキさんの、ひたむきな短い生と対照的なように見えて、
実はとても近い何かを感じる。
引っ越してきてから、この白い壁に穴を開ける勇気がなかった。
けれど、田中さんからもらった(最後の)須田帆布カレンダーと
アンキさんの展覧会のチラシを、今日、壁に貼った。