ミラボー橋
ミラボー橋の下 セーヌは流れ
わたしたちの恋も せめて思い出そうか
で始まる、アポリネール「ミラボー橋」。
資料として家のどこかに眠っているはずの詩集を探すけど見つからない。
たしか堀口大學の訳だったよなぁと思って検索すると
ミラボー橋の下をセーヌ川が流れ
われらの恋が流れる わたしは思い出す
と、どれを見てもそうなっている。
あれれれ? なんか語呂が悪くないかい?
いろいろ調べてみたら、堀口大學ではなかった。
飯島耕一だった。
堀口大學といえば、ローランサンとの交流もあったはずで
アポリネールとローランサンと来れば堀口大學という刷り込みが合った。
けれど、訳詩として優れているのは 飯島耕一の「ミラボー橋」ではないかと。
王道を行くもの(人)ばかりがよいというわけではないのですね。
ちなみに飯島耕一版も、本によっては訳が違うようで、
夜は来い鐘は鳴れ
日は過ぎ去ってわたしは残る
というのが青土社版『アポリネール全集』第一巻(飯島耕一)で、
わたしの記憶にある訳は
夜は来い鐘は鳴れ
日は過ぎ去りわたしは残る
だったはずです。彌生書房版ですね。なんとか詩集を見つけなくては…。
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アポリネール詩集 アポリネール 飯島 耕一 彌生書房 1967-06 by G-Tools |