神保町
はた!と気がついて、午後に奥田さんの三人展に出向いた。
しかし、よく考えたら画廊の場所は神保町。
あんなに行きたかった神保町。
じたばたしたってもう夕方だよぅ。
早く行かなきゃ本屋が閉まっちゃう。
けれど、時すでに遅し。
画廊の帰りにいろいろ古本屋に入った。
日暮れとともに、シャッターがつぎつぎと降りていく。
ああ、くやしい。
そういえば、ある古本屋さんで、山東京伝の図版が平積みだった。
山東京伝って浮世絵師のことなんだな。
だったら百間の「山東京伝」で、『わたし』はなぜ丸薬を揉んでいたんだろう?