東京駅
「焼けた後の東京駅の惨状は筆舌の盡くす所にあらず。
廃墟は静まり落ち着いている筈だが、東京駅は未だ廃墟でもない。
亡びつつある途中である」
内田百間「東京焼盡」から一部抜粋です。
日曜日。東京ステーションギャラリーに行きました。
東京駅は、戦争で焼け崩れてしまった部分の修復工事のため
今月末で赤レンガ建築の中の店舗・ホテル・ギャラリーの営業は5年間休業、
2011年に、在りし日の姿でお目見えするとのことです。
「今後、爆撃により破壊された部分の復元を含めた増改築が行われる」と
Wikiにも書かれてありました。
61年前の大空襲で「亡びつつある途中」と評された東京駅。
言い換えれば、61年間、残せる部分はそのまま使い、改修されて使っていた。
東京駅の改修工事、とても楽しみな反面、
当時残ったものがなくなってしまうことに一抹の寂しさを覚えていました。
実は、東京ステーションギャラリーの展示は日曜が最後でした。
展示物そのものよりも、その建物の中に入りたくて行ったようなものです。
もしかしたら、この赤じゅうたんの階段は、かつて百間先生が
歩いのたかもしれない…なんてことを思いながら。