「人の顔」遍歴

一昨年に開催した、友永たろさんとのふたり展で出展した
「宮益坂」という作品があります。

宮益坂

コレなんですが、わたしの展示作品の中では一番人気でした。
ですが、実はこの作品は、もともとは、夢野久作の「人の顔」を
モチーフにしたイメージイラストを猫に置き換えたものなんです。

今回の個展で、やはり「人の顔」をちゃんと完成させておきたい!と思いまして
一昨年のラフを引っ張り出してみました。

人の顔ラフ1号

…あれ? こんなだっけ…??

ラフは私の脳内で大きく美化されていたのです。
こんなんじゃ、だめじゃん!!!とひとしきり落ち込んだ後、
描き直したラフはコチラです。

人の顔ラフ2号

これがどんな風に仕上がったかは、ぜひ会場でご覧ください!
会場にこれない方は、展示終了後にWEBにて公開いたします。

ただ、今回、このイラストと「鬼火」は、
楮(こうぞ)という和紙ベースの紙に印刷しています。

この紙は、ペーパーショウでPCM竹尾さんが発表されていまして
その色あいにクラクラと一目ぼれ。
絶対何点かの作品は楮で刷るぞ!と心に決めていました。

そのため、PCで見るのと楮に印刷したのとでは
全然イメージが違います。
狙ったとおりの効果がでました。

が。
このイラストの雰囲気で…というお仕事の依頼が、もしも来たときは
出力したものをアナログ入稿するか、
それとも印刷物の用紙を楮のような紙にしてもらうしかないじゃん。
はた、と気が付きました。

紙は出力の命ですねぇ。
それにしても、想像以上の刷り上りに、ため息です。