できたこととできなかったこと

Manyo6月号が更新されました。
今月の文学山房は、かの川上弘美さんの名作「センセイの鞄」です。
画像は、一部だけお見せします。
ゑいじうでも展示しますので、ゆっくりご覧ください。

「センセイの鞄」部分


連休中は、大作「パノラマ島綺譚」をようやく完成させました。
4連作です。おそらく、今回の展示の目玉となる作品のはずです。
連休明けに出力に出せます。遅くなっちゃったなぁ…。

そして、引き続き「鬼火」のラフをやりましたが、これが進みませんでした。
煮詰まって煮詰まって、もうだめだったので、
その日は泣く泣くあきらめました。

「鬼火」は、横溝正史の最高傑作だとわたしは思っています。
その気負いがありすぎるせいかもしれませんし、
あの竹中栄太郎のすばらしい挿絵を見てしまったことも
大きなプレッシャーなのかもしれません。

ですが、わたしなりの「鬼火」のラフが、なんとかできました。
ちなみに、この絵を描いたときに、繰り返し聴いたのは
ムーンライダーズの「鬼火」でした。

ライダーズの「鬼火」は、ヌーベルヴァーグの方であって、
横溝の方ではないはずですが、
生き損なった俺の心 とか
古い夢の中に 汚点(しみ)を残して…といったフレーズや
前奏や間奏で流れる、物憂いような、凄みを感じさせるあの旋律が
横溝の「鬼火」の世界観に通じるものがあるように思いました。

ラフは出来た。けれど、どんな作品になるかは、神のみぞ知る…。
私なりの「鬼火」、どうかどうか描ききれますように。
祈る気持ちです。