さくら
もっともっと多く見るような気がするのは
祖先の視覚も
まぎれこみ重なりあい霞だつせいでしょう
(茨木 のり子「さくら」より)
Manyo 2006年5月号に掲載。バックナンバーよりご覧ください。
展示風景です。1Fカフェの一番奥の壁にかけてありました。
このイラストを描いたのは、まさに茨木さんの訃報が飛び込んできた直後のことでした。
ちょうど、掲載時期が桜の季節だったので、5月号はこれでいこうと
思っていた矢先のこと。
個人的に追悼の気持ちを込めて描きました。
連載文中に追悼の文字はありません。あくまでも、個人的に。
茨木さんにとって「わたしが一番きれいだったとき」に
「さくら」をうっとりとみれたらステキだったろうな、
きっと、こんなきれいな色の着物を着たかったろうな、
等などといろんな気持ちを込めて、絵に託しました。
謹んで茨木先生のご冥福をお祈りいたします。
童話屋「おんなのことば」(茨木 のり子:著)に収録されています。