それもひとつの救い
9日に築地でであった猫。人懐っこくてかわいい。女の子。
だけど、やっぱり厳しい顔つきをしている。
ウチに来たばかりの大賀を思い出す。
ご飯、貰うんだよ。がんばって生きるんだよ。と思った。切ない気持ちになった。
ブライト艦長の声の鈴置洋孝さんが6日に亡くなったと言うニュース。
56歳。肺がん。すごくショックだった。なんでこんなにショックなんだろう。
死んでしまった人には、もう二度と会えないからだ。
先日、「ヨコハマ買い出し紀行」をまとめ読みして、泣いた。
時間の流れは、人の命を死へ間違いなく押し流してゆく。
父のことを思った。
ああ、どうして父は今、生きてないんだろう。
今、話したいことがたくさんあるのに。
そう思うと、涙が止まらなかった。
それを思い出してしまったせいもあるのかもしれない。
ふと思い立って、ヴォネガットの「タイムクエイク」を開いた。
タイムクエイクが起きると、過去をまたやり直さなきゃいけない。
うんざりするような経験がまっていることが解っていても、
1分1秒寸分の狂いもなくそれを「再演」しなければならない。
やり直しはなし。とにかく過去をなぞるだけ。
自由意志のスイッチが入るまで、再演は続く。
耐え難い別れをもう一度再演しなくてはならない覚悟もいる。
けれど、再演で会いたい人に会えるなら、それもひとつの救いかもしれない。
ヴォネガットはどうしようもない絶望感に襲われたとき、効く薬だと思った。
(一応、リンクしときます。こういう本です。文庫も出てます)