SFとミステリーの狭間

SF作家クラブの「SF入門アンケート」。
2001年とちょっと古いデータですが、日本の作品で結構目に付くのが
「ドグラ・マグラ」。こ、これはSFなのか!?

「スローターハウス5」の名訳でおなじみの伊藤典夫さんにいたっては
「他の作家の追随を許さぬぼくの私的な金字塔」とまでおっしゃっておられる。

他にも、沼正三「家畜人ヤプー」(SFというよりSMというツッコミはでなかったのか)
「機動戦士ガンダム」(SFなのか!?)、「風の谷のナウシカ」(つーかアニメだし)
あたりが目に付きます。
広瀬正「マイナス・ゼロ」はいわゆるSF。
少数意見ではありましたが、いわゆる戦前の探偵小説の「変格派」と
呼ばれる作品もちらほらしていたのが印象的でした。

もともとわたしは海外文学はブラッドベリから入って
ヴォネガットではまって、ダニエル・キィスに至ったので
SF好きだとは思うのですが、ミステリーもかなり好きなのです。

「SF好きはミステリ嫌い・ミステリ好きはSF嫌い」と
よく言われますが、そうありながら、Mysteryという言葉には
「謎」と「奇妙な現象」の二つの意味があるように思います。
その狭間にあるのが、ブラッドベリと乱歩(の間にポォ)がある。

久作の書く探偵小説は全てが「変格」で、
ブラッドベリの世界に近いのではないか、とはたと思ったりしました。
…そういわれてみたら、「ドグラ・マグラ」はSFだ。
ヴォネガットよりももしかしたらSFらしいかもしれない。

余談ですが、最近、本格モノも好きで読みますが、
いわゆる「ペダントリー系」がダメということがわかりました…。