ヴォネガットがガンガン復刊されている件
「書かでもの記」のほうで、散々絶版扱いについて文句を垂れていたヴォネガットの出版物が、ここにきてすごい勢いで復刊している。めちゃめちゃ嬉しい。持ってる本ばかりだけど、ホントこんなに嬉しいことはありません。みんな、是非読んでください。
スラップスティック―または、もう孤独じゃない
カート・ヴォネガット 浅倉 久志 ・訳
ホーカス・ポーカス
カート・ヴォネガット 浅倉久志・訳
死よりも悪い運命
カート・ヴォネガット 浅倉 久志・訳
母なる夜
カート・ヴォネガット・ジュニア 飛田 茂雄 ・訳
今、文庫版の「死よりも悪い運命」を読んでいる。再読になるのだけど、ヴォネガットの独特な語り口というか、文章世界への誘い方はユニークで、ふかふかの毛布のようだ。と言っても、書かれている内容はハードなもので、それは後ろに行くほどどんどん重くなるので、ちょっとした覚悟が必要なのだけど。
昨今の復刊ブーム、ヴォネガット再評価の気運のおかげで、これで書店に並ぶ邦訳されたヴォネガットは、エッセイ2冊と戯曲1冊を除いて、ほぼ網羅されていることになる。すばらしい。「国のない男」のおかげだなぁとしみじみ思う。あの本は、いってみればカンフル剤のようだと思った。しかもとてもいい本だったし。とにかく、復刊は本当に嬉しい。いい本は、長く読まれてほしい。いい作家なんですよ。
生きてるうちにお礼が言いたかったな。それが本当に心残りです。