装丁画の仕事
今月末は装丁画を私が担当した本が二冊発売されます。右が高校生の俳句を集めた新書「17音の青春2010」(NHK出版)、左が太田忠司さんのショートショート集「星町の物語」(理論社)。一冊ずつ紹介していきます。
17音の青春
この本は連絡が来てから納品まで半月ないくらいの超スピード制作で、装丁デザインを担当したOFFICE.103の岩上さんに負うところが大きかった(改めて岩上さんには感謝です!)。スピード感を持って仕上げた仕事で、その勢いが高校生の瑞々しさにつながってよい相乗効果が生まれているように思います。ちなみに、帯を取ると高校生がいる仕掛けの、新書サイズのソフトカバーです。華やかな印象に仕上がりました。ぜひぜひ書店で手にとってご覧下さい。色がきれいに出たのもこれまた嬉しい。
星町の物語
一方コチラは半年近くかけてあーだこーだとみんなで額をつきあわせて試行錯誤して生み出したモノ。編集の光森優子さんとデザインのタイプフェイスさんには妥協の文字がないのか!と。終わるのが惜しい仕事だったけど、出来上がってきた見本を見て、わたしが関与しなかったところ(造本や用紙、本文レイアウト等)隅々まで関わった人の手が行き届いて、まったく何という佇まいの一冊なんだろう、とため息が……。「星町」作者の太田さんにとって、ショートショートがどんなに特別な存在であるかはブログを拝読すればひしひしと伝わってくるのだけど、その思いに負けないだけの堂々たる完成度ではないかと思いました。
「星町の物語」のキラキラなカバーを取ったところ。むむ。もうこれだけでも充分カッコイイ……。図書館でカバーが捨てられてもこれならダイジョウブだと思いました。角背なので、詩集のような上品な仕上がり。
で、これが星町の地図。実はこれが目次。紙もステキなので、ぜひ書店で実物を手にとって欲しいです。
「星町の物語」も「17音の青春」も早いところではこの連休明けくらいから書店に並ぶと思います。それから、個展でこの二冊は原画を展示します。実際に装丁として仕上がったときと、絵単体で見たときの印象の違いもお楽しみ頂ければと思います。