2010TOKON10
ということで、2010年8月7日~8日 タワーホール船堀にて開催された 第49回日本SF大会 2010TOKON10(ニイマルイチマルトコンイチマル)にゲストとして参加してきました。その前日(6日)には設営にちょびっとだけお手伝いのためスタッフとしても参加。も~~、ほんとに楽しかった。いい企画が目白押しだったし、スタッフの人たちはみんな気持ちのよい方ばかりだし。充実した2日間でした。
今回わたしが主に関わったのは、当日参加者全員に配布されるスーヴェニアセットの中に入っている、スーヴェニアブックのカバーイラストです。(おそらく、というか間違いなく)編集長の巽先生のプッシュで抜擢していただきました。「ワールドコン仕様にする」ということで、A4サイズで表1~表4まで絵が続いていて(下図参照)、表紙のみならずカラーページもふんだんです。そして内容も、インタビューや座談会など盛りだくさんで、容赦のない編集内容でした。恐るべしTOKON10 スーベニアチーム。
絵のテーマは「東京SF」を意識して、ということで、前回描いたTOKON10の広告用の金魚製造機を巨大にしようと思い、こんな絵にしました。ちなみに、金魚製造機のイラストは、スーヴェニアの扉にも使っていただきました。
スーヴェニアの表紙と扉の絵は、A3サイズに額装して展示ホール「電脳金魚を描く」でも展示されました。オークションでも無事に買い手が付いたとのこと、 ご購入下さった方、ありがとうございました。TOKON10の思い出と一緒に大事にして頂けたら嬉しいです。
展示ホールの話が出ましたが、今回は50年間のSFマガジンの表紙を第1号から、最新号までをスライドショウ上映されていました。最近号はわたしの絵だったので、これも嬉しかったなぁ~~。
……これ以上の写真を撮ってくるのを忘れました。
わたしが2日間で参加してきた(&出演してきた)企画は下記の通りです。
展示ホール 8月7~8日 / 終日
先に書きました通り、「電脳金魚を描く」の展示と、「SFマガジン表紙ギャラリー」に作品が載りました。また、ディーラーズで科学魔界さんの場所を間借りして、図録「文学山房3」+ポストカードのセットを置かせていただきました。
志村式折り紙キングギドラ普及委員会 8月7日 13:00~16:30
最初に参加したのがこれ! キングギドラを折紙で折るなんてーとわくわく。和室は当初、少人数でまったり折っていたのに、気がつくと和室はぎゅうぎゅうに。そして、へたくそなわたし。手取り足取り状態で2巡目に挑戦するも、またわからなく。折紙は奥が深い。超楽しかったです。新井素子さんも一緒に折ったよ!
チェコのレトロSF映画を見よう! 8月7日 17:00~18:30
「ジェシーを狙うのは誰だ?」という1966年の実写映画。これが面白かったのだ~。室内の冷房が効きすぎて凍えながらも、続きが気になって腕をさすりながら、結局最後まで観てしまった。オープニングのアメコミ(アメコミといいながらチェコ作家の手によるコミック)はどんな意味があるんだろうかと思っていたら、コミックのキャラクターが夢から現実に飛び出してしまい、しかも話し言葉はふきだしになってしまう、という関連。とても巧いなぁと思いました。
SF作家クラブ懇親会 8月7日 19:00~20:30
抽選会で景品にするのでサイン色紙を書くように、と言われていたので、会場内で一所懸命描いたら、当選した方から大変喜んでくださって、コチラが嬉しかった。ありがとうございますぅ~。会場では、保管状態が悪くて酸っぱくなってしまったロマネコンティをちょっと頂きました。腐っても鯛。すっぱくなってもロマネコンティ。隣の部屋では永井豪さんのパーティーが同時に行われていて、ファンクラブ会員の友人がそちらにいたので、部屋を行ったり来たりしてました。
サイバーパンクの部屋 8月8日 9:30~11:00
パネラーでした。わたしがサイバーパンクでいいのかなととても不安でしたが、今月号のSFマガジン「東京SF化計画」にちなんだ話が軸で、なんとかなりました。司会のとりにてぃさんの華麗な進行さばきと、レギュラーの巽先生+菊池誠さんの振りとツッコミのおかげで、笑いも取れ、和やかに楽しく終えることが出来ました。チバがクールかどうかという話になったとき、かつてビックリハウスで連載されていた鈴木慶一氏の「ビックリ水族館」というオーディション企画では「チバ=クール」という図式だったし、実際 8 1/2 は千葉出身のバンドだったし、地方在住のワタシから観たらホントに千葉は憧れの街である旨を披露するも、会場でワタシだけしか知らない情報でありました(泣) この日おいらはワールドハピネスに行く予定だったんだよ~。
翻訳家パネル「2010年代の翻訳界」 8月8日 13:30~15:00
SFでは翻訳物が最も好きなわたしが楽しみにしていたパネル。東京創元社の小浜さんの流れるような名司会に、客席からもびしばしと発言が飛び、とても楽しかったです。短篇アンソロジー大流行の昨今、中村融さんが企画している長篇シリーズ「ストレンジ・フィクション」(河出書房新社)の刊行がめっちゃ楽しみ。第1回目はアブラム・ディヴィッドスンとな! わたしは長く世界に浸っていられる長篇がとても好きなので、長篇が低迷気味という話は残念、といいつつも、コニー・ウィリスの新作が出るらしい話にもときめく。2冊分冊らしい。長いんだぁ!
浅倉さんが愛したSF--浅倉久志追悼 8月8日 15:30~17:00
この前の「翻訳家パネル」と部屋が同じだったことや、客席とパネラーがかぶっている(入れ替わった!?)こともあり、なんだか一続きの企画のような色でしたが、客席に早川書房の編集の方が何人もいたことが印象的でした。後半になって、浅倉先生がゲラに赤を入れるときの丁寧さについて、早川の担当編集者・上池さんから興味深い話が続き、パネラーとしてお呼びしても良かったのではと思うくらいでした。この枠は、会場に入りきらないほど人でいっぱいでした。そういえば、わたしが浅倉先生に初めて会ったのも、ワールドコンの翻訳家パネルだったなぁ……としみじみ。
クロージング 8月8日 17:15~
朝が早かったこともあって、とにかく眠くて船を何度か漕いでしまいましたが、ラストのクロージングの映像は泣けました。夢のような2日間が過ぎていきました。最後に流れた柴野さんの「隣の人の顔を見てください、みんなSFが好きなんです」っていう音声に打たれました。すごいことだね。みんな好きなんだよね、SFが。
……と、振り返るとこんなに盛りだくさんだったのに、時間が重なったため参加できなかった面白そうな企画が他にもたくさんあったことをつけ加えておきます。ホント、すばらしかった。実行委員の皆様、ありがとうございました!!!!!