●Amateur Academy |ムーンライダーズ
愛知の外れの田舎育ちのわたしにとっての東京原風景はムーンライダーズだった。
実際に上京してみて、その感覚が間違っていなかったことに気付く。
都会を責めることもなく、ただ自身の孤独と向き合う。痛いほどに自身の心にしっくりなじんだ。
初めて聴いたムーンライダーズは「青空百景」だった。
明るい曲調とは裏腹に、どこかタガの外れた世界観と、押し寄せるアナーキーな世界観にどっぷりはまった。
そうこうしているうち新譜が出た。「アマチュア・アカデミー」。
レコードに針を落とした瞬間、今までにない驚きに満たされた。
かっこよすぎる!
何もかもをなぎ倒すパワー。カッコイイとはこういうことか!
ということで、10代半ばのわたしが部屋に篭ってずっと聴いていた音楽へのささやかなオマージュを捧げた。
2曲目の「30」を、もう10年前に迎えてしまったが、
あれ以来もムーンライダーズは、ときに有機的に、ときに無機的に変化と進化を繰り返しながら、
今もわたしにとっての東京原野であり続ける。31年目。現在も継続している、恐るべきバンドである。