ロロ博士とキンシコウ
そこはうっそうと茂った、深い深い森でした。
真っ赤に熟した果実があちらこちらで垂れ下がって、
甘い香りを振りまいていました。
木のてっぺんに登ったロロ博士は、
遠くの水平線に大きな湖を見つけました。
湖には一艘の船がゆったり浮かび、
湖畔には建物が見えました。
それはおだやかな、秋の午後でした。
美しい眺めだな......。
双眼鏡を手につぶやいた博士に、
熟れた果実を差し出すものがありました。
誰だい?
博士が振り向いてみると、
そこには黄金に輝く体毛をまとった
猿の親子が座っています......。